高齢のがん患者では、疼痛、倦怠感、食欲低下などの症状が十分に把握されず、救急受診や入院につながることがあります。
医療専門職以外の訓練を受けた支援者が、電話で定期的に症状を評価し、必要に応じて医療者につなぐ介入が、急性期医療の利用にどのような影響を与えるかは重要なClinical Questionです。
米国の43のがん診療施設で、新規診断、再発、または進行がんを有する75歳以上の患者416人を対象に、ランダム化比較試験が実施されました。介入群では、通常診療に加えて、訓練を受けた非医療専門職が電話で定期的に症状を評価し、一定以上の症状があれば医療者が対応しました。
12か月間の救急受診と入院について、通常診療群と比較した結果として、最も適切なのはどれでしょうか。
A. 救急受診は有意に減少したが、入院には有意差がなかった
B. 救急受診には有意差がなかったが、入院は有意に減少した
C. 救急受診も入院も有意に減少した
D. 救急受診にも入院にも有意差はなかった
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#プライマリケア一問
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0%A|救急受診減・入院差なし
50%B|救急受診差なし・入院減
0%C|救急受診減・入院減
50%D|救急受診差なし・入院差なし
2 votes • Final results正解:C
12か月間の主要評価項目では、救急受診も入院も有意に減少しました。
- 1回以上の救急受診
- 介入群:61/200例(30.5%)
- 通常診療群:103/216例(47.7%)
- 調整OR 0.47
- 95%CI 0.32–0.71
- P<0.001
- 1回以上の入院
- 介入群:37/200例(18.5%)
- 通常診療群:86/216例(39.8%)
- 調整OR 0.32
- 95%CI 0.20–0.51
- P<0.001
したがって、「救急受診も入院も有意に減少した」Cが正解です。
臨床的な意味
この研究で興味深いのは、高齢がん患者への介入が高度なデジタル技術ではなく、訓練された非医療専門職による定期的な電話症状評価と、異常時の医療者へのエスカレーションだった点です。症状を早期に拾い、外来で対応する仕組みが、急性期医療利用の減少につながった可能性があります。
日本の在宅医療やプライマリ・ケアにも、「医師が毎回評価する」のではなく、一定のプロトコールに基づいて非医師スタッフが症状を拾い、必要時だけ医療者につなぐというタスクシフトを考える上で示唆的です。ただし、この実装可能性自体は本試験の主要評価項目ではありません。
研究の限界
研究は米国の1つのMedicare Advantage保険者の診療ネットワークで実施され、実際の電話介入を担当したlay health workerも2人だけでした。そのため、他の医療制度やより大規模な運用への一般化には注意が必要です。また、実装に必要な人的資源や導入プロセスそのものは評価されていません。
Patel MI, Voskanyan M, Agajanian H, Agajanian R, Podnos Y, Milstein A. A Lay Health Worker–Led Symptom Intervention and Acute Care Use in Older Adults With Cancer: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2026;335(8):674-681. Published online December 30, 2025. doi:10.1001/jama.2025.23403.
PMID: 41468027
DOI: 10.1001/jama.2025.23403
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/4146…
脳卒中後の患者では、転倒が繰り返されることで、骨折や入院だけでなく、活動範囲の縮小や生活の質の低下につながる可能性があります。
転倒予防には運動療法や住環境の調整が行われますが、これらを組み合わせた在宅介入の有効性は重要なClinical Questionです。
オーストラリアで、脳卒中後5年以内、50歳以上、10m以上の歩行が可能な地域在住者370人を対象としたランダム化比較試験が行われました。介入群には6か月間、理学療法士と作業療法士が協働し、日常生活に組み込む運動、住環境の危険因子の改善、地域での移動支援を個別に提供しました。
12か月間の転倒発生率(主要評価項目)と、1回以上転倒した人の割合(副次評価項目)について、通常ケアと比較した結果として最も適切なのはどれでしょうか。
A. 年間転倒発生率は有意に低下したが、1回以上転倒した人の割合には有意差がなかった
B. 年間転倒発生率には有意差がなかったが、1回以上転倒した人の割合は有意に低下した
C. 年間転倒発生率も、1回以上転倒した人の割合も有意に低下した
D. 年間転倒発生率にも、1回以上転倒した人の割合にも有意差はなかった
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#プライマリケア一問
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0%A|転倒頻度減・転倒者割合差なし
50%B|転倒頻度差なし・転倒者割合減
50%C|転倒頻度減・転倒者割合減
0%D|転倒頻度差なし・転倒者割合差なし
2 votes • Final results正解:A
主要評価項目である12か月間の転倒発生率は、在宅個別化介入群で有意に低下しました。
- 介入群:1.8回/人年(SD 3.0、総転倒327回)
- 通常ケア群:2.7回/人年(SD 5.5、総転倒500回)
- IRR 0.67
- 95%CI 0.48–0.94
- P=0.02
つまり、介入群では年間転倒率が33%低下しました。
一方、1回以上転倒した人の割合は、
- 介入群:104/186人(56%)
- 通常ケア群:109/184人(59%)
- RR 0.94(95%CI 0.79–1.12)
- 絶対リスク差 3ポイント(95%CI −7~13)
- P=0.52
で、有意差はありませんでした。したがって、「転倒する人そのものを減らした」のではなく、集団全体の転倒回数を減らしたという結果です。
臨床的な意味
脳卒中後の歩行可能な地域在住者では、日常生活に組み込んだ運動、住環境の転倒リスク低減、地域での移動支援を組み合わせた6か月間の個別介入により、その後12か月間の転倒頻度を減らせる可能性が示されました。特に「少なくとも1回転倒するか」よりも、繰り返す転倒を減らす効果を示した試験と解釈するのが適切です。
Clemson L, Scrivener K, Lannin N, et al. Home based, tailored intervention to reduce rate of falls after stroke (FAST): randomised trial. BMJ. 2026;392:e085519. Published March 24, 2026. doi:10.1136/bmj-2025-085519.
PMID: 41876122
DOI: 10.1136/bmj-2025-085519
bmj.com/content/392/bmj-2025…
正解:A
主要評価項目である12か月間の転倒発生率は、在宅個別化介入群で有意に低下しました。
- 介入群:1.8回/人年(SD 3.0、総転倒327回)
- 通常ケア群:2.7回/人年(SD 5.5、総転倒500回)
- IRR 0.67
- 95%CI 0.48–0.94
- P=0.02
つまり、介入群では年間転倒率が33%低下しました。
一方、1回以上転倒した人の割合は、
- 介入群:104/186人(56%)
- 通常ケア群:109/184人(59%)
- RR 0.94(95%CI 0.79–1.12)
- 絶対リスク差 3ポイント(95%CI −7~13)
- P=0.52
で、有意差はありませんでした。したがって、「転倒する人そのものを減らした」のではなく、集団全体の転倒回数を減らしたという結果です。
臨床的な意味
脳卒中後の歩行可能な地域在住者では、日常生活に組み込んだ運動、住環境の転倒リスク低減、地域での移動支援を組み合わせた6か月間の個別介入により、その後12か月間の転倒頻度を減らせる可能性が示されました。特に「少なくとも1回転倒するか」よりも、繰り返す転倒を減らす効果を示した試験と解釈するのが適切です。
研究の限界
参加者と療法士は介入内容を盲検化できませんでした。また対象は50歳以上、脳卒中後5年以内、10m歩行可能な地域在住者で、中等度~重度の受容性失語や一部の高機能歩行者は除外されています。したがって、重度障害のある脳卒中患者への一般化には注意が必要です。主要転帰を12か月すべて追跡できたのは337/370人(91%)でした。
Clemson L, Scrivener K, Lannin N, et al. Home based, tailored intervention to reduce rate of falls after stroke (FAST): randomised trial. BMJ. 2026;392:e085519. Published March 24, 2026. doi:10.1136/bmj-2025-085519.
PMID: 41876122
DOI: 10.1136/bmj-2025-085519
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/4187…
bycomet|Small Medicine retweeted
関心のないところにこそ重要なものがある。
名郷流EBMの核心はここにあるし、構造主義医療もまた、関心のないところに関心を向けるためのフレームワークであった。何かに基づくとろくなことがない、EBMというネーミング自体がエビデンスに関心を向けてしまっている。
一見すると、何をおっしゃっているのか、よくわからないと思えるかもしれない師匠の語り口は、EBMというものが、何かに基づかない医療を実践するための極めて重要な視座を与えてくれるということを、繰り返し繰り返し、強調してきたのであった。
bycomet|Small Medicine retweeted
名郷先生のおかげで日本のEBMは劇的に前進した。それでもまだ足りないのだが。
いろいろありすぎて言葉にならない。
ebm-clinic.com/2026/10/19/%e…
bycomet|Small Medicine retweeted
名郷先生がお亡くなりになられました。名郷先生のEBMを初めて聴いたときは、衝撃でした。あれから30年近く、常に師匠として指導を受けてきました。最近でも、子ども向けのEBMの本を執筆されるなど、精力的に働いて来られました。心からの哀悼の意を表します。
「医療費全体のガバナンスの観点からは、ご指摘のような不正事例への対応を含めて医療扶助の適正化は必要だ。有識者検討会の議論を踏まえて必要な対応を検討する」
「徹底的に適正化図る」上野厚労相、生活保護の年1.9兆円医療費に
sankei.com/article/20261019-…
bycomet|Small Medicine retweeted
🏥【訪問リハ「事業所医師の診療が基本」に】👇
📢厚労省、令和9年度介護報酬改定に向け見直し案
👨⚕️事業所医師による診療を原則とする方向
💻対面診療が困難な場合はオンライン診療も活用
⚠️猶予期間中、診療未実施減算とリハマネ加算の併算定を不可に
📉診療未実施減算は現行1回50単位
👉猶予期間の長さは未定。訪問リハの運営に影響する重要論点
1post.jp/8691
多剤併用のある高齢患者では、退院時の処方変更や服薬管理の問題が、退院後の予定外受診や再入院につながる可能性があります。
薬剤師による入院中の薬剤レビュー、退院時の薬剤照合、退院後の服薬支援は、こうしたリスクを減らすための介入として期待されています。
米国の2病院で、55歳以上かつ定期内服薬10剤以上、または特定の高リスク薬3剤以上を使用している入院患者を対象に、計6,478件の入院をランダム化した実用的臨床試験が実施されました。
薬剤師による退院前後の服薬管理介入について、退院後30日以内の予定外の救急受診・再入院を評価した結果として、最も適切なのはどれでしょうか。
A. すべての病院を含む予定外受診・再入院は有意に減少したが、同一病院に限った場合は有意差がなかった
B. すべての病院を含む予定外受診・再入院には有意差がなかったが、同一病院に限った場合は有意に減少した
C. すべての病院を含む場合も、同一病院に限った場合も、予定外受診・再入院が有意に減少した
D. すべての病院を含む場合も、同一病院に限った場合も、予定外受診・再入院に有意差はなかった
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#プライマリケア一問
0%A|全病院のみ有意に減少
0%B|同一病院のみ有意に減少
0%C|両者とも有意に減少
100%D|両者とも有意差なし
2 votes • Final results正解:D
薬剤師主導の退院前後の服薬管理介入は、30日以内の予定外ED受診・再入院を、全病院ベースでも同一病院ベースでも有意には減らしませんでした。
主要評価項目の全病院での予定外ED受診または入院は、
通常診療:593/2,242例(26.4%)
介入:570/2,230例(25.6%)
絶対差:0.9ポイント
95%CI −1.7~3.5
P=0.50
でした。
副次評価項目の同一病院での予定外ED受診または入院も、
通常診療:606/3,112例(19.5%)
介入:579/3,126例(18.5%)
絶対差:1.0ポイント
95%CI −1.0~3.0
P=0.34
で、有意差はありませんでした。
臨床的な意味
この結果からは、多剤併用または高リスク薬を使用する高齢入院患者全体に対して、薬剤師による包括的な退院移行支援を追加しても、30日以内の急性期医療利用を一律に減らせるとは示されませんでした。一方、服薬アドヒアランスや薬剤理解度が低い事前規定サブグループでは同一病院への予定外受診が減少しており、介入を高リスク患者へ絞る戦略は今後検討に値します。
Pevnick JM, Kennelty K, Nguyen AT, et al. Pharmacist-Led Discharge Care to Reduce Postdischarge Health Care Utilization: A Randomized Clinical Trial. JAMA Netw Open. 2026;9(3):e260719. Published online March 17, 2026. doi:10.1001/jamanetworkopen.2026.0719. JAMA Network
PMID: 41842899
jamanetwork.com/journals/jam…
bycomet|Small Medicine retweeted
【医療機関の倒産 1-9月は過去最多】
news.yahoo.co.jp/pickup/6599…
bycomet|Small Medicine retweeted
患者さんの受療行動も大分変わってきてるので、これからもっと潰れるでしょうね。
これ倒産でよっぽどですけど
倒産行く前に休廃業や譲渡もありますから年間数千はありますよ。(たしか4000位毎年逝ってます。)
クリニックが全国で10万なので毎年5%が逝ってる感じですね。
病院は8000件位で新規には基本的に作れないので減ってく一方なんですけど
この中の病院機能の内訳は分かりませんが
国が進めている急性期病院統廃合の目標が都道府県を超えても30万人1病院だと
日本人口1億人とすると急性期拠点病院は全国300-500病院のイメージなんで相当サバイバルなのはイメージしやすいかなと思います。
こうなると、病院潰れて数十km先となり医療アクセスが劇的に悪くなるので患者数も減ります。(通いたくても通えないですよね。)
働く側も需給悪化で職場が激減するので看護師不足は解決。
医師は余剰で放り出される。
都市部は開業規制が5都府県(東京、大阪、京都、兵庫、福岡)で既に始まり
地域のニーズを満たせなければ3年で保険医療機関停止の処置となる。
来年度から厳しくするための話し合いが各地域の医師会で現在行われている。
私が話聞いてるだけで大分厳しいと思います。
若い先生達の中には、まさか自分が影響を受けないだろう。
と思うかもしれませんが、、
最初にまず始まるのは「医師バイト」が無くなります。
そして、常勤先の激化と今も病院では行われていますが厳しいノルマ設定(全員入院させろ。退院日を延ばせ)なども起こるでしょう。
今までは多少のワガママは許して貰えましたが医師数が増えてクリーンな職場になれば、、
指示に従わない医者、研究しない医者、稼げない医者、サボる医者、上司に好かれない医者などは淘汰の対象です。
診療報酬改訂で救急の下り搬送が認められたので救急車の奪い合いも起こっているし、、
医師会の開業医の先生達からも、病院を紹介しても逆紹介が返ってこない。
それでもかなりお願いをされるなど不満が各地で燻っている
というお話もよく聞くので、今までとは違う違和感を感じています。
これからが本番です。
怖いです。
明日は我が身ですかね。
おそらく、冬のボーナスでキャッシュフローが爆死して冬に逝く
医療機関が出てくると予想はしてます。
厳しいですね。
【医療機関の倒産 1-9月は過去最多】
news.yahoo.co.jp/pickup/6599…
RSVワクチンで入院が約7割減る。
ただし、発生率差は1,000人年あたり0.39件。
「7割減る」という相対効果と「その患者にどれほど利益があるか」は別の問いです。
DAN-RSV試験から、ワクチンの効果と不確実性をどう患者に伝えるか考えました。
#今週のプライマリケア
paragraph.com/@smaller/rsv-v…










