①【レッドブル自社製PU開発の舞台裏。マルコが明かす決断の理由と、対立するホーナーへの異例の称賛】
レッドブルの元モータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコが、オーストリア公共放送ORFのインタビューで、自社製PU開発に踏み切った経緯を振り返った。
「メルセデスからエンジンを供給してもらうことはできなかった。ルノーは当時、競争力がなかった。ホンダは撤退し、その後復帰した」
2020年、ホンダがF1活動の終了を発表したことで、レッドブルは将来のPU確保という大きな課題に直面した。
自社開発には巨額の投資と技術的なリスクが伴ったが、当時の選択肢を比較すると、独自開発に踏み切るほかなかったという。
マルコ自身も、この意思決定に中心的な立場で関わっていたことを認めている。
そして、2026年に実戦投入されたレッドブル・フォード製PUは初年度から勝利を挙げた。
マルコは「今の結果を見れば、我々の判断は正しかった。本当に、本当に素晴らしい成果だ」と評価した。
しかし、その後の開発体制を築き上げた人物については、自分ではなく、かつての盟友の名前を挙げている。
(1/2)
via ORF Sport(10月20日)
②【「人材採用も組織構築も、すべてホーナーの功績だ」マルコが認めた自社PU開発の立役者】
マルコは、レッドブル・パワートレインズの設立後について、次のように語った。
「チームの立ち上げ、必要な人材の採用、そしてその後の開発については、すべてクリスチャン・ホーナーの功績だ」
2021年、ホーナーは自前のPU開発組織をほぼゼロから構築するという難題に取り組んだ。
その中心となったのが、メルセデスHPPなどからの技術者採用だった。
2023年半ばまでにメルセデスHPPから約120人が移籍したと報じられている。
2022年8月には最初のV6試作エンジンが始動。ポルシェとの提携交渉決裂を経て、2023年にはフォードとの協業が決定した。
ただし、ホーナー自身は2025年7月にレッドブルを解任され、自ら立ち上げたPUが実戦で勝利する姿をチーム代表として見ることはなかった。
マルコは最近までホーナーを厳しく批判しており、両者の関係が修復されたわけではない。
それでも今回、自社PU開発という巨大プロジェクトを具体化し、組織を築き上げた功績については明確にホーナーを評価した。
2021年には自社製PUの開発経験すらなかったレッドブル。その決断からわずか5年で勝利を達成した背景には、ホーナーが主導した組織づくりがあった。
(2/2)
via ORF Sport/Autosport
①【F1のPaddock Clubは「モータースポーツ界のダボス会議」になれるか? 約400ブランドが集まる巨大ネットワーク】
F1のPaddock Clubは、単なる富裕層向けの高級観戦施設ではない。
スポーツマーケティング企業Right Formulaのロビン・フェンウィックCEOが、その新たな商業的可能性を提案した。
現在、F1と11チームには約400のスポンサー・パートナーブランドが参画。そのうち約100ブランドは直近18カ月に新規参入したという。
各企業は、グランプリに自社の重要顧客や経営者、
取引先を招待する。
しかし、そうした人々はチームやスポンサーごとに分かれ、交流の機会は十分に活用されていない。
フェンウィックが例に挙げたのが、スイスで開催される「ダボス会議」だ。
ダボス会議は、世界経済フォーラムが毎年開催する国際会議で、各国の政治指導者、大企業の経営者、投資家などが集まる。
その価値は、公開討論だけではない。
会議期間中には個別面談や非公開の会合も行われ、普段は接点の少ない企業や組織の意思決定者が直接話し合う機会が生まれる。
フェンウィックは、F1にも同じようなビジネス交流の機能を持たせられないかと考えている。
via Sector(10月13日)
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②【すでにF1開催期間中には、世界中の経営者や投資家が集まる会議が開催されている】
例えば、2026年のシンガポールGP開催期間前後には、複数の国際ビジネス会議が集中した。
・Forbes Global CEO Conference:世界の大企業経営者らによる会議
・Milken Institute Asia Summit:金融、投資、経済、政策などをテーマとした国際会議
・TOKEN2049:暗号資産・ブロックチェーン業界の経営者、投資家らが集まるイベント
TOKEN2049は、主催者によると2万5,000人以上、7,000社以上の参加を掲げていた。
これらはF1が主催した会議ではないが、グランプリと同じ時期に世界中の企業関係者がシンガポールへ集まっていた。
さらにF1自身も、2025年のラスベガスGPで「F1 Business Summit」を開始している。
2026年11月19日に予定される第2回には、F1のステファノ・ドメニカリCEOや、ハースF1の小松礼雄代表らが
登壇する。
経営者による討論、少人数の交流会、ネットワーキングなどが企画され、一般参加料金は550ドルから。
つまり、F1のレース開催をビジネス交流の機会として活用する動きは、すでに始まっている。
ただし、これらの会議とPaddock Clubは別の仕組みだ。
フェンウィックの構想は、さらにその先にある。
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③【スポンサー同士を結び付ける。F1が新たなビジネスを生み出す場所になる可能性】
例えば、あるチームのスポンサーが日本の自動車メーカー幹部を招待し、別のチームのスポンサーが米国の半導体企業幹部を招待していたとする。
現在なら、それぞれが別のホスピタリティ施設で接待を受け、そのまま帰国するかもしれない。
しかし、F1が事前に企業の関心や商談希望を把握し、チームの垣根を越えて紹介できればどうか。
金曜日に経営者同士の個別面談。
土曜日には、関連業界の幹部を集めた少人数の昼食会。
日曜日には、レース観戦を通じて関係を深める。
こうした仕組みがあれば、Paddock Clubは単なるVIP接待施設ではなく、新しい取引や事業提携のきっかけを生む場所になり得る。
※これは構想を具体化した仮想例であり、F1が実施を発表したプログラムではない。
フェンウィック率いるRight Formulaは2009年創業。現在は約200人を抱え、スポンサー契約交渉、企業接待、マーケティングなどを手掛ける。
同社はシンガポールGPだけでも60〜70人のスタッフを現地に派遣しているという。
フェンウィックは、F1に集まる約400ブランドと、その重要顧客の人脈を、より大きなB2Bネットワークへ発展させることを提案している。
「効果的に活用できれば、企業がF1への投資を正当化する強力な理由になる」
もっとも、現時点ではRight Formula側の構想であり、F1が新制度を決定したわけではない。
F1が提供する価値は、レース観戦や広告露出だけではなく、世界中の企業経営者と直接つながる機会にも広がるのか。
via Sector / The Business of Formula 1
(3/3)
①【F1燃料流量計を巡り特許侵害訴訟。旧供給業者が新供給業者を米国GP直前に提訴】
10月16日、英国のSentronics Holdingsが、ドイツのAllengraを相手取り、米テキサス州の連邦地方裁判所に特許侵害訴訟を起こした。
争点は、F1マシンに搭載される燃料流量計(Fuel Flow Meter)。
この装置は、燃料タンクからエンジンへ送られる燃料の流量を高精度で測定するものだ。
FIAは全チームに指定された計測装置の使用を義務付けており、燃料流量が技術規則の制限を超えていないか監視している。
つまり、単なるエンジン部品ではなく、F1の競技の公平性を担保する重要な計測装置というわけだ。
Sentronicsは2018年からF1に燃料流量計を独占供給してきたが、2026年からはAllengraが2026〜2030年の独占供給契約を獲得した。
今回の訴訟は、F1の標準部品を巡る旧供給業者と新供給業者の争いでもある。
では、米国GPの開催に影響する可能性はあるのか?
続く②では、訴訟の争点と現時点での影響を整理する。
(1/2)
via:米連邦地方裁判所/Sentronics/Allengra
②【F1燃料流量計の特許訴訟、その背景には独占供給契約を巡る企業間競争も】
今回の訴訟でSentronicsが侵害を主張しているのは、米国特許第11,391,609号。
Allengra製の超音波式燃料流量計が、自社の特許技術を侵害しているというものだ。
注目すべきは、両社の競争関係だ。
Sentronicsは2018年からF1に燃料流量計を独占供給してきたが、2026年からの契約をAllengraに奪われた。
さらにSentronicsは、F1だけでなく、DTMやスーパーバイク世界選手権でもAllengraに供給業者の座を奪われつつあると主張している。
つまり、今回の訴訟は単なる技術的な特許紛争にとどまらず、モータースポーツの計測装置市場を巡る企業間競争という側面も持っている。
しかも提訴は、米国GP開幕のわずか1週間前となる10月16日。
米国内での使用差し止めも求めていると報じられているが、現時点で裁判所による差し止め命令は確認されていない。
当然、米国GPの開催が危ぶまれているという状況でもない。
独占供給契約を失った旧供給業者が、特許を武器に新供給業者へ反撃したとも受け取れる今回の訴訟。
ただし、提訴の動機や特許侵害の有無は、今後の司法判断を待つ必要がある。
(2/2)
via:Bloomberg Law(10/16)/米連邦地方裁判所/Allengra
①【F1隔年開催のバルセロナ、インディカー誘致の背景に20年間のサーキット経営改革】
2027年からインディカーを開催する複数年契約で合意したと報じられたバルセロナ・カタルーニャ・サーキット。
その背景を調べると、単なるF1の代替イベント誘致にとどまらない、サーキットの経営改革が見えてくる。
2025年1月、サーキットの運営を「Fira Circuit」が引き継いだ。契約期間は20年間。
Fira Circuitは、国際見本市や大型イベントを手がけるFira de Barcelonaの100%子会社だ。
一方、施設の所有権とF1・MotoGPの開催契約は、カタルーニャ自治州政府系のCircuits de Catalunyaが引き続き保有する。
新体制の狙いは、モータースポーツだけに依存せず、企業イベント、見本市、コンサートなどへ施設利用を広げることだ。
実際、2025年の業績は、
・売上高4,600万ユーロ(前年比7%増)
・税引前利益270万ユーロ
・年間稼働343日、稼働率94%
・年間来場者65万3,024人
F1の隔年開催を迎える前から、サーキットの事業構造を見直す動きが進んでいた。
しかし、欧州にはほかにも有力なサーキットがある。
なぜインディカーはバルセロナを選んだのか。
そこには、サーキットから30kmも離れていない場所で生まれた、5度の世界王者の存在がある。
続く②では、その誘致の背景を見ていく。
via EL PERIÓDICO / Fira de Barcelona
1/3
②【インディカー誘致を後押しした地元の5冠王者、アレックス・パロウの存在】
バルセロナでは、1991年以来続いてきたF1の毎年開催が2026年で一区切りとなる。
今後は2028年、2030年、2032年に開催。ベルギーのスパ・フランコルシャンと隔年で開催する。
そこで浮上したのがインディカーの誘致だった。
交渉は2026年6月に始まり、カタルーニャ自治州政府が主導。複数年契約での合意に至ったと報じられている。
そして、誘致を後押しした重要な存在がアレックス・パロウだ。
インディカーで4年連続、通算5度の王座に輝き、2025年にはインディ500も制覇した。
その出身地、サン・アントニ・デ・ビラマホールは、カタルーニャ・サーキットからわずか30km以内にある。
地元で生まれ育ったスター選手が、母国のファンの前でレースをする。
これは観客動員だけでなく、地元企業のスポンサー獲得や大会の宣伝という面でも、大きな訴求材料となり得る。
EL PERIÓDICOによれば、当初は2028年開催が視野に入っていたが、2027年7月からの開催へと計画が前進した。
F1の隔年開催、サーキットの経営改革、そして地元出身の5冠王者。
バルセロナには、インディカーを迎えるための好条件が重なっていた。
では、インディカー自身はなぜ今、北米以外への進出を進めようとしているのか。
続く③では、FOXの大型出資と海外開催の課題、さらにF1の開催方式の変化が生み出す新たな可能性を取り上げる。
via EL PERIÓDICO / Motorsport.com / Formula 1
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③【FOXがインディカー運営会社の大株主に。F1の隔年開催拡大は海外進出の追い風となるか】
インディカー側にも、海外進出を模索する経営上の背景がある。
2025年7月、米国の大手メディア企業FOX Corporationは、インディカーとインディアナポリス・モーター・スピードウェイを所有するPenske Entertainmentの
持分3分の1を取得した。
もともとFOXは、2025年からインディカーの米国内での独占テレビ放映権を保有している。
つまり、単にレースを放送するテレビ局ではなく、
選手権を運営する会社の大株主にもなったわけだ。
FOXにとってインディカーの人気拡大は、放送コンテンツの価値を高めるだけでなく、投資先の企業価値向上にもつながる。
両社は、商業的成長、ドライバーの知名度向上、新たなイベントの開発などを進める方針を示している。
ただし、海外レースの実現には大きな課題がある。
EL PERIÓDICOによれば、今回のバルセロナ開催交渉でも、欧州への輸送費が特に難しい問題となった。
参戦車両だけでなく、スペアパーツ、工具、各チームの機材などを大西洋を越えて輸送する必要がある。
開催地やスポンサーにも相応の資金的・物流的な負担が求められる。
その点、バルセロナはF1やMotoGPを長年開催してきた実績と、整備された常設施設を備えている。
インディカーは以前から日本、ブラジル、オーストラリア、メキシコなどへの進出も模索してきたが、2013年のサンパウロを最後に北米以外で選手権レースを開催していない。
ここで興味深いのは、F1の開催地をめぐる最近の動きだ。
F1は新規開催を希望する国や地域が増える一方、年間開催枠には限りがある。
その結果、バルセロナやスパでは隔年開催が導入された。
こうした変化は、海外進出を模索するインディカーにとって、新たな機会となる可能性もある。
もちろん、バルセロナにはパロウという地元スターや、既存施設の充実といった特別な条件がある。他国でも同様に開催できるとは限らない。
それでも、今回の欧州進出が興行面、物流面で成功すれば、今後、欧州やアジアなどで新たな開催地を開拓する際の一つのモデルになり得る。
F1の開催方式の変化が、インディカーの国際展開にどのような影響を与えるのか。
バルセロナでの取り組みは、その可能性を探る重要な]一歩となりそうだ。
via EL PERIÓDICO / FOX Corporation / Formula 1 / RACER
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①【2027年、インディカーがバルセロナで初開催へ。F1の隔年開催移行が誘致を後押し。地元スター、パロウも重要な役割】
F1スペインGPの舞台として知られるカタルーニャ・サーキットが、2027年7月からインディカーを開催する複数年契約で合意した。
Motorsport.comが複数の関係者から確認。正式発表は数日以内の見込みだ。
背景にはF1の開催方式の変更がある。
バルセロナは1991年以来、毎年F1を開催してきたが、2027年からベルギーGPとの隔年開催へ移行。次回のF1開催は2028年となる。
そこで浮上したのが、インディカーの誘致だった。
via Motorsport.com / F1
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②【カタルーニャ自治州政府が主導。F1の空白を埋める新たな大型イベント】
インディカー誘致交渉は2026年6月に開始。
中心となったのはカタルーニャ自治州政府で、サーキットの契約を管理するFira Circuitとともに協議を進めてきた。
F1は2028年、2030年、2032年にバルセロナで開催される。一方、インディカーとの契約は2027年からの複数年を予定している。
つまり、インディカーはF1の開催されない年だけを埋める単発イベントではない。
誘致には、地元出身でインディカー5度の王者に輝いたアレックス・パロウも重要な役割を果たしたという。
先週末のWECバルセロナ6時間レースは5万5,500人以上を動員。サーキット側はインディカーにも大きな集客を期待している。
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③【インディカー、14年ぶりに北米圏外へ。欧州市場への再進出】
インディカーが最後に北米以外で選手権レースを開催したのは、2013年のブラジル・サンパウロだった。
日本でも、かつてツインリンクもてぎで2003〜2011年に開催されていた。
欧州では旧CART/チャンプカーが英国、ドイツ、オランダ、ベルギーなどでレースを開催。2007年のオランダ・アッセンなどが最後となっていた。
2027年のバルセロナ大会が実現すれば、現在のインディカー・シリーズとして初の欧州選手権開催となる。
近年、インディカーはコロンビアやブラジルなどへの進出も模索してきた。
一方、バルセロナはF1の隔年開催という変化を受け、別カテゴリーの大型イベントを誘致する道を選んだ。
F1に加え、WEC、そしてインディカー。
今回の合意は、インディカーの国際展開だけでなく、F1開催方式の変化に対応する欧州サーキットの事業戦略としても興味深い動き。
今後の動向に注目👀
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🏎️【ホンダF1、復活から世界制覇、そして決別へ】
元レッドブル代表ホーナーが、5本のインタビューで明かした舞台裏。
・ホンダ製PUの技術移管を阻んだ意外な問題
・知られざる有償供給と二重の財務負担
・ポルシェとの交渉決裂、フォードとの提携
・ホンダ復帰に「知っていれば同じ決断はしなかった」
そして2026年、独自PUが初優勝。
ホンダとの決別から始まった大きな挑戦。その知られざる経緯を振り返ります。
▼記事はこちら
①【F1、中東最終2戦の開催方針を維持。米国・イスラエルの選挙後の軍事情勢が焦点に】
F1は、中東情勢の緊迫化が続くなか、11月29日のカタールGPと12月6日のアブダビGPを予定どおり開催する方針を維持している。
イランの支援を受けるフーシ派によるサウジアラビアへの攻撃では、首都リヤドの国際空港も標的となり、14人が死亡、数百人が負傷したと報じられている。
これを受け、米国は中東地域の自国民に安全上の注意を呼びかけている。
英国外務省も、航空便の欠航や領空閉鎖、渡航の混乱に備えるよう警告している。
今後の焦点となるのは、10月27日のイスラエル総選挙と11月3日の米国中間選挙だ。
トランプ大統領は10月8日、米中間選挙までイランへの追加攻撃を行わないと明言した。
しかし、選挙後の軍事情勢は依然として不透明だ。
F1は開催方針を変更していないが、最終2戦までに情勢が再び悪化する可能性は残されている。
では、アブダビGPが開催できなくなった場合、F1はどう対応するのか。
via RacingNews365
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②【F1、アブダビGP中止に備えイモラで代替開催準備。実現すれば29年ぶりの欧州最終戦に】
中東情勢の悪化によって12月6日のアブダビGPが開催できなくなった場合、F1はイタリアのイモラ・サーキットを代替開催地とする方針だ。
RacingNews365によると、イモラはすでに待機体制に入り、代替開催が決定した場合に備えた準備作業も進めている。
開催日はアブダビGPと同じ12月6日を想定している。
イモラには、緊急開催への対応実績がある。
新型コロナウイルスの影響でF1カレンダーが大幅に変更された2020年には、急きょグランプリを開催。その後もエミリア・ロマーニャGPとして開催を続けた。
一方、2023年には大規模な洪水によって大会が中止されている。
仮にイモラで2026年最終戦が開催されれば、ヨーロッパでF1シーズンが閉幕するのは1997年以来29年ぶりとなる。
1997年の最終戦はスペインのヘレスで開催され、ジャック・ヴィルヌーヴとミハエル・シューマッハが世界選手権を争った。
ちなみに、12月初旬のイモラは冬の寒さが本格化する時期だ。
平年の最高気温は10〜11℃前後、最低気温は3〜4℃程度。雨や霧が発生する可能性もあり、12月6日の日没は16時30分頃となる。
こうした低温下では、タイヤを適正な作動温度まで引き上げることが難しくなり、特に予選のアウトラップや決勝のスタート直後、セーフティカー明けの再スタートなどで影響が出る可能性がある。
さらに、日照時間が短いため、レース開始時刻の設定にも制約が生じる。
中東の温暖な気候で開催されるアブダビGPとは、まったく異なる条件での最終戦となるだろう。
現時点でアブダビGPの開催方針は維持されており、イモラへの変更が決定したわけではない。
via RacingNews365
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①【F1チームは黒字化したのに、優秀な技術者の給与が上がらない? ウォルフが警告する人材流出の危機】
メルセデスのトト・ウォルフが、F1のコストキャップ制度について興味深い問題を提起した。
2021年に導入されたコストキャップは、チームの過剰な支出競争を抑え、財務の健全化に貢献してきた。
しかし、ウォルフによれば、制度によってF1チームが利益を生み出せるようになった一方、技術者の給与が抑制されるという問題も生じている。
特に懸念しているのは、博士号を持つような高度な専門人材だ。
F1チームに入った当初は、世界最高峰のモータースポーツで働けるという魅力が大きい。
ところが、5年、6年、7年と経験を積んだ段階で、IT企業、ヘッジファンド、投資銀行との給与格差が問題になるという。
ウォルフは、F1がかつて最高の大学から優秀な人材を引きつける存在だったことにも言及した。
チームの経営が安定する一方、将来の競争力を支える技術者への報酬が制約される。
なぜ、このような矛盾が生じているのか。
(続く)
via RacingNews365
1/3
②【技術者の給与を上げると、マシン開発に使える予算が減る】
背景にあるのは、F1のコストキャップの仕組みだ。
2026年の基本予算上限は2億1,500万ドル(約340億円)。
ただし、ドライバーの報酬や報酬上位3人のスタッフなど、一部の費用は上限の対象から除外される。
一方、一般のエンジニアや研究開発に携わる技術者の給与は、原則として予算上限に含まれる。
つまり、優秀な技術者を引き留めるために給与を引き上げれば、マシン開発などに充てることのできる予算が減る。
もちろん、人件費を増やすことで開発効率が向上する可能性もある。しかし、限られた予算の配分を巡って、給与と開発投資が競合することは避けられない。
大企業のように、収益が増えたからといって、その利益を自由に研究開発部門の給与へ回せるわけではない。
ウォルフは、比較的給与の低い技術者層などについて、予算上限にもう少し余裕を持たせることを提案している。
その狙いは、単にチームの支出を増やすことではない。
F1が優秀な人材を獲得し、長期的に雇用し続けられるようにすることだ。
だが、この問題には、さらに難しい側面がある。
(続く)
via RacingNews365 / Formula 1
2/3
③【F1で育った優秀な技術者が、金融・AI・ロボット産業へ】
コストキャップによって技術者の給与が制約される一方、F1で培われた高度な専門能力は、他産業でも高く評価されている。
実際に、F1から別の業界へ活動の場を移した技術者もいる。
例えば、
・マクラーレン → Wellington Management
元技術者が、米国の大手資産運用会社で金融データや
数理モデルを扱うクオンツ開発分野へ転身。
・ウィリアムズ → Fortescue Zero
元エンジニアが、電動化・脱炭素技術の分野でシミュレーション開発に従事。
・レッドブル/メルセデス → microagi
両チームの元エンジニアが、ドイツでAI・産業ロボット関連のスタートアップを共同創業。2026年7月には5,500万ドルの資金調達を実現した。
もちろん、こうした転身が給与格差を理由としたものとは限らない。
しかし、F1で求められる数値解析、AI、シミュレーション、最適化などの能力が、金融、IT、ロボット産業でも活用できることを示している。
そして、ここにウォルフが懸念する問題がある。
F1チームはコストキャップによって財務状況が改善しても、その利益を技術者の給与に自由に反映できるわけではない。
一方、金融機関やIT企業はF1の予算上限に拘束されず、優秀な人材に高額な報酬を提示できる。
F1には世界最高峰の技術競争に携われるという魅力がある。しかし、経験を積んだ技術者が将来の収入や生活環境を考え、他産業へ転身する可能性もある。
ウォルフの警告は、単なる給与引き上げ要求ではない。
F1が優秀な技術者を育てながら、その人材を他産業に奪われる可能性があるという、制度上の問題提起なのだ。
技術者の待遇改善と、チーム間の競争均衡。
今後のコストキャップ制度には、この二つを両立させる仕組みが求められる。
via RacingNews365 / Business Insider
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