
ALT 俺の鈴木(下の名前は創くん)へ このたびは俺の鈴木にさびしい想いをさせて大変申し訳ございませんでした。 ラブレターありがとう。ほんとにすげぇ嬉しかった。あいつらにめっっっちゃ自慢した。あ、もちろん中身は秘密な? 俺は鈴木みたいに上手に手紙書けねぇけど、がんばって書くわ。 変なところがあったら、げらげら笑ってもらえると助かる。鈴木の笑った顔、マジで大好きだから。 消しゴムを拾ったときのこと、もちろん覚えてるよ。 俺はあのとき、鈴木にもっと近づきたいって思ってました。まぁ、正直に言うと、もうちょっとその先も考えてたんだけど…。 「その先って?」なんて言う鈴木の顔が思い浮かんだわ。あー、かわいい。 とにかく、鈴木が嬉しいって思ってくれて、俺もすごく嬉しいよ。 あの瞬間も大事な宝物だよな? 鈴木ならそう言うだろ? それと鈴木がずるいっていうのはぜったい違う。 鈴木は強かったし、えらかったし、かっこよかった。俺はそう思う。 それでさ、ここで俺からのお願いです。 そのさびしくて平和だった時間も丸ごと、今の俺に抱きしめさせてくんない?

ALT 鈴木のこと抱きしめんのすげぇ好きなんだよね、俺。 …なんてもう知ってるか。 お願い、いいって言ってよ、鈴木。 つーか、鈴木が隣にいてくんないと、今度は俺がさびしいんだけど。あいつらもぜったいそう。 あと、誰かの攻めになるなってやつ。安心して。俺は一生、鈴木専属だから。 ノートのことも見つけたのが俺でよかったって心から思ってる。もちろん、ほかのやつに見つけさせる気は最初からなかったけど。 鈴木の文句ひとつめはちゃんと受け取った。 これからもっと好きにさせるから、覚悟しといて。 あ、これは今読んでるBL漫画から引用しました。 あとで一緒に読もうな。鈴木が好きな年下攻めの溺愛もの。 それからお願いひとつめは昨日も今日も明日も明後日も、この先ずっと変わんないからいいとして。 ふたつめも、ちゃんと叶えるよ。 俺に任せろ。 ほんとだって、BLの神様に誓います。 鈴木のラブレターを読んだとき、俺がどれだけ鈴木のことかわいいなって思ったか、想像してみて。 想像した?

ALT はい、ざんねーん。不正解。 もっともっとも~~~~~~~~~~っとかわいいって思ったよ。 ほんとにかわいい。ちゃんと鈴木に伝わってんのかなぁ。とてもかわいいです、君は。 そういえば、これ、俺のハジメテのラブレターね。 鈴木、俺のハジメテもらってくれる? ていうか強制なんで、ぜったい受け取って。 ここまで書いといてなんだけどさ、俺やっぱ文章書くの下手じゃね? ってことで、言葉だけじゃなくて、行動でお返事させて。 行動って何って? 大丈夫、鈴木。大丈夫大丈夫。大丈夫だって! 大好きだよ、鈴木。 ずーーーーーーーっと大好き。 P.S. 今さ、鈴木とあいつらでこっち見てにやにや笑ってるけど、君たち何話してんの? あとでぜんぶ聞かせて。 ふたりっきりになれる場所で。 君の芹沢遥人くんより

ALT 芹沢へ 芹沢が超絶かっこよすぎて、目の前にいるととても言葉じゃ伝えられないので、手紙を書くことにしました。 初めてラブレターを書きます。変なところがあっても笑わないでよ。 ぜったい約束ね。 芹沢は覚えているかな?いつだったか、芹沢に消しゴムを拾ってもらったときがあったんだけど。 あ、覚えてなくてもいいんだ。俺が覚えてるから。 あのとき、芹沢が「鈴木」って呼んでくれて、俺がどれだけ嬉しかったか、想像してみてください。 想像した? 今、芹沢が想像した大きさ、それの何倍も何倍も嬉しかった。 芹沢が俺のこと「鈴木」って知っててくれたんだって。 ちなみに俺の下の名前は「創」です。 大丈夫?笑ってない?笑ったらこの手紙は消滅するからね。 同じクラスになってから、芹沢はずっと俺の太陽……なんだけど、それだけじゃなくて、あのころは俺の都合のいい夢だった。 言い方がすごく悪いかもしれない。 ごめん、最後まで読んで。 松野たちと気まずくなってしまったとき、今思うと俺は諦めたんだと思う。 俺の好きなものを誰かに好きになってもらうことも。 誰かの隣にいることも。

ALT 言えばよかったね。なんでそんなこと言うのって。 こういう素敵なところがあるんだよって教えてあげたらよかったね。 喧嘩したってよかったんだ、きっと。 もう言わないって、決めたってよかった。 あのときの俺は、どれも選びたくなかった。 楽だったから。諦めて、ひとりでいるほうが。 そのほうがずっと、ずっとずっとずっと平和だった。 さびしいさびしい平和だった。 だから、いつも騒がしくて、愉快な芹沢たちをこっそり見て、あたたかい気持ちになってた。 勝手に芹沢をモデルにしてBL小説を書いて、勝手に芹沢の優しさとか、かっこよさをもらって、勝手に幸せな気持ちになってた。 本当にずるかったと思う。ごめんね、芹沢。 今、芹沢さ、「違う」って言わなかった?たぶん、芹沢ならそう言ってくれる気がする。 だめだよ、芹沢。よくないと思う。もう二度とBL小説のモデルになんかなっちゃだめだよ。誰かの攻めになんかなっちゃだめだよ。 俺だけにして。 だいたい、俺がプロットノートを机に忘れるなんて、本当にありえなかったんだ。すごく気をつけてたから。 もしかして、俺が心のどこかで芹沢に見つけてほしくて、ノートを置いちゃったのかな? 最近、そんな気がして少しだけ怖くなってる。 違う、と思う。ただの置き忘れ。たぶん。

ALT ごめん、長くなってきちゃったね。 言いたいことは、ひとつの文句と、ふたつのお願いです。 勝手な理想を押し付けていた俺に、芹沢は呆れもせずに、たくさんたくさん光をくれたね。 それから俺が諦めていたものも、ふたつともくれた。 芹沢のこと、苦しいくらい好きになっちゃって、本当にどうしてくれるんだって思ってたよ。これが文句ひとつめ。 芹沢は俺のこと好き? 今日も俺のことを好きでいてくれるといいんだけど。これはお願いひとつめ。 お願いふたつめ。これからもずっとみんなの太陽でいてください。そして、ふたりきりのときは、俺だけの太陽でいてください。ぎりぎり、ひとつ換算ね。 うまく書けた気がしないけど、俺の『ハジメテ』のラブレターをもらってください。 P.S.遅い。芹沢いつ来るの。ラブレター書き終わっちゃったよ。 さびしいです。あなたの鈴木はとってもさびしいです。文句ふたつめ。 「ワッツアップメーン!」って、やっと芹沢が入ってきた。 遅刻だし、俺のこと見すぎじゃない? にやにやしないでよ、芹沢。 おはよう、俺の太陽。今日も大好きです。 この手紙、ちゃんと渡せるといいんだけどな…… 鈴木より






















































