ディミレス掌編📘「ほしいだけ、全部」
王さまと王妃さまのある夜のお話
⚠️全年齢相当ですが親密な二人です

ALT ディミレス掌編 タイトル:ほしいだけ、全部。 本文: 時告げ星が天頂を過ぎ、寝不足が祟ってうとうとする頃。 多忙な私の王様が、寝床にのそのそと帰ってくる。 冷気が入りこまぬようそっともぐりこみ、横臥していた背に大きな体躯がかぶさる。 「ベレス」 合図。掻き寄せる腕が身体に絡み、耳のうしろと首元に口づけが降る。 「したい」とか「抱きたい」とか訴えるのなら断れるのに。 ディミトリはいつのころからか魔法を囁くようになった。 「愛し合いたい」 そうすると、眠たいのに疲れているのに、返事が縛られてしまう。純情だった青年は、私の密かな誓いをいつの間にか心得てしまったのかもしれない。 云えば十中八九徹夜になるから、教えないのだけど。 「いいよ、ディミトリ。たくさんがいい」 生涯彼がほしいだけ、愛を捧げると誓ったから。 寝ずに、いつも待っている。


































