
ALT 鮮やかなカラフルな放射状の花が矢車のように広がるヤグルマギク(学名:Centaurea cyanus、英名:Cornflower)。 ヨーロッパ原産のキク科一年草で、草丈30〜100cm、開花期は4〜6月。 元は麦畑の雑草でしたが、耐寒性が強くこぼれ種で自然に増え、切り花・ドライフラワー・ハーブティー(眼精疲労緩和)・エディブルフラワーとしても大人気。やせ地でも育つ手軽さと「コーンフラワーブルー」の希少な青が魅力の、春のガーデニングの定番です。 石川啄木 函館の青柳町こそかなしけれ 友の恋歌 矢ぐるまの花 啄木の『一握の砂』に収められた名歌で、青春の郷愁と切ない恋をヤグルマギクの青に重ねています。 函館の情景の中で花の可憐さが心に染みる、和の詩情あふれる一首です。

ALT 麦畑にひっそり咲く青い花が、ギリシャ神話では賢者ケンタウロスの傷を癒し、古代エジプトではツタンカーメンの墓で永遠の再生の象徴に。 1806年の戦乱ではプロイセン王妃ルイーゼが麦畑で王子たちに花冠を作り「希望」を語り継いだ——それがヤグルマギク。 ドイツでは「皇帝の花」として国花に、エストニアでは正式国花(1969年)。 雑草から国家のシンボルへ昇華した、運命的な美しさを持つ花です。 Novalis(ノヴァーリス)の「青い花(Blaue Blume)」モチーフ(小説『ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン』より) ドイツ・ロマン派の象徴詩人ノヴァーリスが描いた「青い花」は、理想・憧れ・到達しがたい美しさと切ない憧憬(Sehnsucht)を表す永遠のモチーフ。 伝統的にヤグルマギク(Kornblume)がそのモデルとされ、ノヴァーリス自身もこの花の前で描かれることが多く、ヨーロッパ文学に深く根付いたロマンの象徴です。

ALT 「繊細」「優美」「幸運」「教育」「信頼」を花言葉に持つヤグルマギク。 澄んだ青は希望の色、王妃が子どもに命の大切さを教えた逸話から「教育」の意味も。ロマン派文学では理想の「青い花」として詠まれ、今はナチュラルガーデンやドライフラワー、美容ハーブとしてSNSで人気。 朝露に輝く姿は、忙しい日常に静かな幸運を届けてくれます。 Felix Dahn作詞・Richard Strauss作曲「Kornblumen(矢車菊)」より(歌曲集『おとめの花』Op.22) 19世紀ドイツの詩人ダーンの詞をシュトラウスが歌曲にした作品で、「穏やかで青い目の少女たちを矢車菊に喩え、静かに平和の露を飲む純粋な存在」と歌っています。 ロマン派の優美さと可憐さを体現した一曲で、ヨーロッパの音楽史に残る「花の詩情」が詰まった名作です。
















